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 すると急に、雲の上に出たときに見出す、とても平穏でとても単純なあの静かな世界が、僕にとって未知の価値を帯びるのだった。その心地よさが罠だった。そこの足下に広がる、広大な白い罠を僕は想像した。人々のざわめきや、心の動揺や、町での活気ある荷車の往来が、みんながそう思っているように、その下にあるのではなく、更なる絶対的な静寂と最終的な平穏が広がっていた。その白い鳥もちは僕にとって現実と非現実、既知と不可知なものの境界になっていた。そして文化、文明、熟練的職業を身につけなければ、光景が意味を持たないことを僕はすでに察していた。山地の住人も雲海をよく知っていた。けれども彼らはそこに想像を絶する幕を見出してはいなかった。

 その執務室を出たとき、僕は子どもっぽい誇りを感じていた。今度は僕が、夜明けから、乗客たちの荷物とアフリカの郵便物に責任を持とうとしていた。しかし僕はとても謙虚な気持ちも感じていた。準備が足りないと気づいていたから。スペインは不時着の場所が乏しかった。差し迫った故障に直面して、非常時の着陸場所をどこに求めるのか分からないのが心配だった。僕が必要な教訓をそこに見つけ出せないまま、地図の不毛について、僕は考え込んでいた。


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