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僕は読んだ。「ドゥ サン-テグジュペリ殿、私は貴殿に対し、カサブランカの出発に際し、格納庫のすぐ近くで方向を変えたことで、パリに懲罰を要求する義務を認められる」 僕が格納庫のすぐ近くで方向を変えたことは本当だった。その男が立腹して、彼の職責を全うしたのも本当だった。空港の事務所の中でなら、僕は謙虚にその叱責を受けたであろう。だがそれは届いてはならない所で、僕達に届いた。そのあまりにも少ない星、霧の層、脅迫的な海の流儀の中で、それは調子外れに歌っていた。僕達は自分達の運命、郵便物の運命、船の運命を手中にして、生きるための舵取りに散々苦労していた。それなのにその男は僕達に対して、彼の小さな恨みを晴らしていた。だがネリと僕はいらいらするどころか、突然大きな喜びを感じた。そこでは、僕達は支配者だった。彼は僕達にそのことを明らかにした。まさか伍長の彼は、僕達が大尉になったことを袖で見ていなかったのか? 彼は夢想している僕たちの邪魔をしていたのだ。そのとき僕らは大熊座と射手座の間をおごそかに行きつ戻りつしていたし、僕達の立場で没頭できるであろう唯一の問題は、月の裏切りだった. . .
 差し迫った責務は、その男が連絡してくるこの惑星の唯一の責務は、星々の間で計算するために、正確な数字を僕達に送ることだった。なのにそれらは間違っていた。 その他に関しては、一時的に、その惑星は沈黙さえすればよかった。  ネリは僕に書いた。「くだらんことに暇つぶししないで、あいつらは僕達をどこかに連れ戻すべきなのに. . . 」 「あいつら」とは彼にとって、下院、上院、海軍、軍隊、皇帝達をも含めた地球の全国民を要約していた。そして僕達に用があると言う馬鹿げたメッセージを再び読みながら、僕達は水星のほうに機首を回していた。 

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