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 僕達はまったく不思議な偶然によって救われた。シスネロスに戻る希望を見限って、海岸のほうに直角に飛行しながら、燃料が切れるまで進路をとるように決める時が来た。そういうわけで僕は海に沈まない少しの可能性を留保していた。残念ながら、目を欺いたいくつかの灯りは神のみが知るところへ僕を引き寄せてしまっていた。さらに残念ながら、最もうまくいった場合でも、真夜中に急降下を余儀なくされる濃い霧があるので、僕達は大惨事なしで着陸する可能性はほとんどなかった。だが僕には選択の余地はなかった。
 状況はとても明白だったので、僕は憂鬱そうに肩をすくめていた。そのときネリは、一時間前なら僕達を救ったかもしれないメッセージをそっと僕に渡した。「シスネロスは僕達に手助けすることを決めた。シスネロスは疑わしいが、二百十六度を指定している. . . 」 シスネロスはもう闇の中に埋もれていなかった。シスネロスは僕たちの左の方に確実に現れていた。そうなんだ。だが距離はどれくらいなんだろう? ネリと僕は短い会話をした。遅すぎる。僕達は意見が一致していた。シスネロスに向かえば、僕達は海岸に着かない危険が増大していた。それでネリは返信した。「燃料は一時間のみのため、九十三度の針路を維持する」

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